「ルワンダは第二の故郷」

日本人留学生の一人、北村美月(きたらむらみつき)さんが、彼女の留学体験 について綴ってくれましたので、彼女の許可を得て掲載いたします。


こんにちは。皆さま、初めまして。東京外国語大学アフリカ地域専攻の北村美月と申します。私がルワンダに来てから早くも半年が経ちました。留学の折り返し地点でもあるので、今までを振り返り、ルワンダ留学の様子をお伝えしようと思います。

こちらでは大学に通い、佐々木先生のもと、PIASS (Protestant Institute of Arts and Social Sciences) で平和学を勉強しています。学問として平和学が発展している欧米諸国ではなく、過去にジェノサイドという悲劇を経験したルワンダという地で、そこの学生と議論をしながら「平和」を学ぶことに意義を感じ、ルワンダへの留学を決めました。この半年間、日本の私の大学では受けることができないような様々な興味深い授業を受講してきましたが、その中でも最も印象に残っているのは「癒しと和解」の授業です。NGOリーチのプロジェクトを通して和解されたジェノサイドの被害者と加害者の方々がPIASSを訪れてくださり、直接お話を聴くことができました。この授業を受けるまで、日常生活の中でジェノサイドの傷跡を目の当たりにすることはありませんでした。しかし、和解や赦しについて学び、実際に和解を遂げた方々のお話やジェノサイドを経験したクラスメイトが抱く思いを聴くことを通して、初めてこの国が経験してきたこと、そして今も残る傷跡を実感しました。

キレヘの養豚組合を訪ねて

キレヘの養豚組合を訪ねて

今月の初めには、リーチが活動を行っているキレヘに佐々木先生とご一緒させていただきました。そこではリーチによるイベントに参加し、プロジェクトメンバーのお宅や養豚場を訪問しました。そのイベントは被害者と加害者の方々の和解をより深めるためのもので、リーチの今までの活動を振り返り、加害者の方々による謝罪と被害者の方々による赦しのための時間も設けられました。謝罪を行う方の震える手や表情などから、赦す側だけでなく赦しを乞う側にとっても、和解は決して容易なことではないと改めて感じました。しかし、同時に、たとえどんなに困難であっても、時間のかかるプロセスであっても、和解は不可能ではないことも実感し、一歩一歩前に進んでいるみなさんから勇気と希望をいただきました。

また、その他にも、PIASSの「平和と開発センター」が進める共生プロジェクトに参加している女性の方々と一緒に花の世話をしたり、ルワンダで新しく農業ビジネスを始めた日本企業でインターンシップを行ったり、小学校でボランティアをしたりと、様々な経験をさせていただいています。日本企業でのインターンシップでは、アフリカでビジネスを行う困難さや、新しく何かを生み出すことのやりがいを肌でもって体験することができました。

集中講義「和解の理論と実践」の後、キレヘから来られたゲストスピーカーと一緒に

集中講義「和解の理論と実践」の後、
キレヘから来られたゲストスピーカーと一緒に

 

ルワンダに来て最も実感しているのは、人との出会いの素晴らしさです。佐々木先生ご夫妻をはじめとして、ルワンダ人のクラスメイト、隣国のコンゴとブルンジからの留学生、PIASSの先生方、インターン先で出会った方々、ボランティア先の小学校の子どもたち、ルワンダで調査や活動を行っている方々、青年海外協力隊のみなさん、ルワンダへの旅行者たち、マーケットのおばちゃんたち…ルワンダに来てから数え切れないほどの素敵な出会いがありました。ルワンダで出会ったみなさん一人一人が熱い思いを抱いていて、お話を聞くたびにとても刺激を受けています。先日もイースターのパーティーに呼んでいただき、8ヶ国の多様なバックグラウンドを持つ40人近くのみなさんと楽しい時間を過ごしました。

穏やかな気候、美味しいご飯、温かいルワンダ人の人柄、多くを学び、感じることのできる授業、貴重なインターンシップの経験、素敵な出会い…ルワンダ留学の魅力は挙げきれません。先月末に、新しい日本人留学生がまた1人ルワンダに到着しました。彼女もすぐに私のように「ルワンダを留学先に選んでよかった!」と感じるのではないでしょうか。ルワンダは私の第二の故郷です。

ルワンダ人のご家庭にホームステイをした村で子どもたちと

ルワンダ人のご家庭にホームステイをした村で
子どもたちと

 

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