ブルンジの政治危機  

すでにご存知の方も少なくないと思いますが、来月予定されている大統領選挙を前に、ブルンジが大変危機的な状況にあります。私が住んでいるブタレ(フイエ)からは、ブルンジの国境まで車でわずか30分、首都のブジュンブラまでは3時間半程度です。

ことの発端は、大統領の任期は二期十年までという憲法の規定にも関わらず、現職のンクルンジーザ大統領が三選を目指すと公表したことです。それに反対する野党勢力や民主化勢力が非暴力デモを敢行しますが、4月27日、そのデモ隊に治安部隊や与党青年部の民兵たちが攻撃を加え、流血の事態に発展しました。5月13日、大統領の三選に反対するブルンジ軍将校の一派がクーデターを試みますが、しばらく後に鎮圧され、現在、クーデターに強力した将校や兵士の粛清が進んでいます。

欧米メディアの報道では、反大統領デモが始まってから既に死者は20名、近隣諸国に流出した難民の数は10万人に上ります。ルワンダにも2万人以上の難民が流入し、私が住むブタレ(フイエ)にもブルンジから非難してきているブルンジ人や外国人が多く見られるようになっています。

現在、ブルンジでは平和的なデモまでが政府によって禁止されていますが、野党・民主化勢力は今後もデモを継続する姿勢を崩していません。今後、政府の治安部隊や与党の民兵組織により、現大統領の三選を阻もうとする団体・個人への弾圧がさらに強まることが懸念されます。現在の状況が更にエスカレートし、元武装勢力から野党に転じた勢力が市民に武器を配るような事態に発展すれば、ブルンジは内戦状態に逆戻りしてしまうことになりかねません。

またブルンジはルワンダと同じように、多数派のフツ対少数派のツチの間でジェノサイドが起きた歴史もあるため、エスニック集団間の衝突に発展する危険を指摘する識者も少なくありません。現在の対立は大統領支持派対反対派の対立で、反対派の方にフツもツチも含まれているのですが、フツの大統領支持派からはこの対立をエスニックな対立として描き、フツの一般市民を動員しようとの意図も見て取れます。

最悪の流血の事態を回避することができるようにお祈りください。

http://www.politico.com/story/2015/05/burundi-violence-unrest-us-reaction-118055.html#ixzz3aZ1fBxgE

http://www.irinnews.org/report/101497/what-now-for-burundi-five-key-risks